遠藤が昔、サラリーマンだった頃の話です。
社運を懸けた10億円の業務提携契約交渉のため、
プロジェクトチーム5人でマレーシアのクアラルンプールに
乗り込みました。
いよいよ交渉開始です。
開口一番、うちの交渉リーダーが以下のように
言いました。
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私達はこの交渉を今週の土曜日までに全てまとめ、
来週の月曜日にプレスリリースで発表するよう社内稟議
をとってあります。
よってこの期限に間に合うように本プロジェクトについて
御社と合意できるよう、私達も精一杯務めますので、
ぜひご協力をお願い致します。
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さて、ここでリーダがやってしまった
致命的なミスはなんでしょうか?
ちなみにマレーシアの相手の会社の人達は皆、
イスラム教徒でした。
彼らは1日に5回お祈りに行かなくてはならない
ので、たとえ交渉中でも「ごめん!ちょっとお祈りに
行くから・・・」と言って席を立ってしまいます。
いつもなら15~30分くらいで戻って来るのですが
上記のリーダーの発言を聞いた後は、
15分経ち
30分経ち
1時間経ち
2時間経っても
戻ってきません。
宗教上のことですから「いつまでお祈りしてるんですか?!!」
などと文句を言うこともできず、毎日毎日その繰り返し。
結局、我がチームはタイムオーバーになるのを恐れて相手方の
条件を次から次へと飲む以外なく、交渉は大失敗に終わりました^^;
業務提携契約交渉において情報収集はとても大事です。
情報収集と言うと「事前にやる」というイメージがありますが
「交渉中」も常に情報集中が必要です。
遠藤はクライアントに、「5つのポイントについて情報収集しましょう」
といつも言っていますが、その一つが・・・・
「相手の期限は?」
と言うポイントです。
要するに「いつまでに○○の理由で交渉を纏めなくては!」
という期限の情報が相手から聞けたらかなりGoodです。
もし、自分の期限が相手の期限よりも後であったら
かなり有利に交渉を進められますよね?
逆に相手の期限の方が後であったら、
自分の期限については絶対に言わないことが重要です!!
上記のリーダーは、ついつい社内会議をやるような気持ちで、
期限をご親切にばらしてしまったので、相手につけいる隙を
与えてしまったという訳です。
[[name1]]さんはどうですか?
ひょっとして似たような失敗を犯していませんか?
交渉に臨むようなことがあれば、ぜひこのポイント
について注意してみてくださいね。
また、メールしますね。
遠藤祐二