裁判と仲裁の考え方

ここでは、国際契約の紛争解決の手段として考えられる
裁判(Litigation)仲裁(Arbitration)の考え方について
ご説明します。 

国際契約では下記の理由により仲裁の方が優れている
されているので、圧倒的に仲裁を選択するケースが多いです。  


●審理が非公開
 ⇒裁判は公開  

 

●実務を知っている仲裁人を選べるので実務に即した解決が期待できる
 ⇒裁判官は実務には素人
 

●審理は1回のみなので短期間で結果が出る
 ⇒裁判は控訴や上告があるので長期化する恐れあり


●仲裁結果は相手側の国で強制執行できる
 ⇒裁判だとたとえ勝訴しても相手国で強制執行するのに多くのハードルがある 




次に問題になるのが仲裁地(仲裁を行う場所)です。
考え方は単純で、要するに時間と費用を考えれば
「自社に近い場所」が良いのです。 

よって相手が海外の企業である場合は互いに自国での
仲裁開催を主張し、いつまで経っても合意に至らないことも多いです。

このような場合の落としどころは下記の2つの選択肢があります。

被告地主義 

これは、「訴えられた当事者(=被告)の国で行う」という
考え方です例えば相手が仲裁を起こせば日本、当方が訴えれば相手国で
行うという「両者平等」の考え方なので双方が合意に至りやすいと
言われています。 

また、「わざわざ相手国まで行って争うのは無駄なので和解しよう!」という
判断も出やすくなり、不要な争いを避ける効果があるとも言われています。


第三国で実施

相手方と当方のいずれも無関係な「第三国」で行うという
選択肢もあり、シンガポールなどが選択されることが多いです。
但しこの場合は「シンガポールの仲裁制度に詳しい専門家を
見つけられるかどうか?」という課題が残ります。  



最後に問題となるのが、「準拠法」です。 

これは残念ながら「相手国の法律」か「日本法」の
どちらかしか選択肢はありません。 しかしながら
ここでいたずらに時間をかけても仕方がないという
経営判断のもと(問題の先送りになりますが)、

「準拠法は仲裁人の判断に任せる」

という規定にする例もあるようです。 

 

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