昨日のことです。
初めてのお客様からこんなお電話が
ありました。仮にAさんとします。
A:「米国の大手企業の有名ロゴを今度日本でも
使用させてもらえそうなんです。」
「8月半ばに出張して話を詰めて来るつもりです。」
「そしてその時に具体的な条件交渉の話に
なってきたらその場ですぐ契約書案も提示
できるようにしたいのです。」
「なので英文契約書の作成をお願いできません
でしょうか?」
さて、
実はこの時点で、Aさんはある重大なポイントの確認を
忘れています^^;
忘れているというよりも、「そんな事は思いもよらなかった。。」
という感じかもしれません。
あなたはAさんが怠っている「確認事項」が何か
わかりますか?
:
:
:
:
それはですね。
:
:
:
:
:
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Aさんが契約書案を先に提示して良いか否か?
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という点についての相手方への確認です。
もちろん、Aさんの契約書案を先に提示する方向に
持っていければベストなのは言うまでもありません。
でもちょっと考えればわかりそうな事なのです。
大体有り得そうなシナリオは下記のとおりです。
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相手は米国の大手企業
↓ ↓ ↓ ↓
その企業の有名ロゴを使用する契約書については
その会社の定型の雛形がすでにある。
↓ ↓ ↓ ↓
その定型の契約書を渡されて
「これで検討してください!」と言われる。
↓ ↓ ↓ ↓
あわててAさんが「いや私も案を用意して
来たのですが。。。」と契約書案を出そう
とする。
↓ ↓ ↓ ↓
「うちの定型の契約書案をベースにしないと交渉
しないことになっているのです。」と言われて
折角お金を払って用意してきた契約書案が紙くずに・・・^^;
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ちなみに遠藤が英文契約ライセンス契約書の作成をするときは
大体30万円ぐらい頂くことにしています。
そして上記のシナリオのとおりだと30万円を
ドブに捨てることになります。
ちなみにこれ、
何も米国企業に限ったことではなく、
日本の大手企業と契約交渉するときも全く
同じことが起きます。
もちろん遠藤は上記のようなことは黙っていて
契約書を作ってあげて30万円もらっても
何ら責められる点はないのですが・・・(苦笑)
さすがにそれではかわいそうなので、
遠藤:「一つお伺いしますが、相手方にはAさんが
契約書案を提示して良いということになって
いるのですか?」
と聞いてみました。すると。。。
A:「あっ!いえ・・・その・・・確認してません。」
遠藤:「それからにされた方が良くないですか?」
「そんな米国の大手企業であればその会社で
いつも使っている定型の契約書の雛形が
あると考えるのが普通です。」
「だからいくらAさんが用意してきた契約書
をベースに交渉しようしても受け入れられない
可能性が高いのではないでしょうか?」
「このままだと30万円みすみすドブに捨てる
ことになるかもしれませんよ。」
「相手方の契約書を審査するメニューも別に
ご用意していますので、まずはそこの確認を
されてみてはいかがでしょうか?」
A: 「そうですね。ありがとうございました!」
遠藤:「(心の中で)あーまた30万円もらえるチャンスを
みすみす逃してしまった(苦笑)」
よってあなたも契約交渉がある程度
具体的になって契約書案を提出する時期になったら、
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あなたが契約書案を先に提示して良いか否か?
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の確認をいち早くするようにしてみてくださいね。
またメールしますね。
遠藤祐二