販売店契約の場合は、
ウィーン条約(国際物品売買契約に関する国際連合条約:the 1980 United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods)にも注意が必要です。
ウィーン条約は当事者間の売買契約において下記の
いずれかの場合に適用されます。
(a)両方の当事者が締約国である場合
(b)片方の当事者だけが締約国である場合であっても当該当事者の国の
法律が国際私法によって準拠法とされる場合
2017年現在の加盟国は下記のとおりです。
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http://www.uncitral.org/uncitral/en/uncitral_texts/sale_goods/1980CISG_status.html
◆ウィーン売買条約が売買契約に与える影響
例えばウィーン売買条約が売買契約に適用されると日本法適用の場合と比べて
主として次の点が異なってきますので注意が必要です。(以下、カッコ内は
日本法の規定とします)
・申込は原則撤回できる(原則撤回できない)
・沈黙/不作為は承諾とならない(商人間の平常取引での申込に対する沈黙は承諾となる)
・承諾は申込者に到達したときに発効する(隔地間の承諾は発信時に発効する)
・申込に対する承諾に追加的または異なる条件を含む場合、その条件が申込の内容を
実質的に変更しないときは、申込者が異議を唱えない限り承諾となる(申込の拒絶と
新たな申し込みと見做される)
・売主は、契約に定める数量、品質および種類に適合し、かつ、契約に定める方法で
収納され、または包装された物品を引き渡さなければならない(売主は物品につき
瑕疵担保責任と債務不履行責任を負う)
・契約の解除は、相手方の重大な契約違反または相手方が付加期間内に義務を履行
しない場合に認められる(債務不履行があれば認められる)
上記のように条件を変更されてしまうのが不都合な場合は下記のような条文を
追加し、ウィーン売買条約の適用を排除するケースが多いです。
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This Agreement shall not be governed by the provisions of
the 1980 United Nations Convention on Contracts for
the International Sale of Goods.