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英文販売店契約(Distributorship Agreement)の交渉のコツとは?(イントロダクション)

メーカー(Company)(製品を製造し、販売店に卸売り)の立場、そして
販売店(Distributor)(製品をメーカーから仕入れて最終消費者に小売り)の
それぞれの立場をあなたが知っておくことで、あなたが
どちらの立場であっても相手の考え方・状況がわかるので
契約交渉を有利に進めることができるのです。

なお、契約交渉の前段階となる、海外展示会での出会いから商談、契約交渉、契約締結までの流れを実践的に学ぶ「EIBグローバル道場」があります。その入口となる海外ビジネス実践プレセミナーでは、海外取引の入口から契約交渉まで、実務の全体像を2日間で学ぶことができます。

メーカー(Company)VS販売店(Distributor)のそれぞれの英文販売店契約交渉のコツとは?

本製品(Products)/顧客(Customers)/販売テリトリー(Terrirory)の定義

下記の3点についてメーカーと販売店の立場で検討しましょう!
①本製品(Products)
②顧客(Customers)
③販売地域(Territory)

独占販売権(Exclusive Distributorship)で欠かせないポイントとは?

独占販売権についてはメーカーと販売店で主に以下のポイントについて
検討・交渉をしていきますので漏れのないようにしましょう。

①独占権を与える?要求する?

②メーカー自身の販売の権利はどうする?

③独占販売権の交換条件はどうする?
 (1)購入ノルマ(Minimum Purchase Gurantee)
 (2)ノルマ未達成の場合のペナルティ(Penalty)
 (3)競業避止義務の範囲(Restraint of Comptetion)

受入検査(Inspection)

受入検査についてはメーカーと販売店で主に以下のポイントについて
検討・交渉をしていきます。時々どっちだかわからなくなって混乱しますので
よくその状況を想像しながら交渉していきましょう。
↓ ↓ ↓ ↓
①受入検査はする?しない?※するならどんな方法?
 ・品名/数量検査
 ・品質検査
 ・機能検査
 ・検査方法※

※  例えばメーカーが台湾、販売店が日本、販売店の顧客が韓国の
   会社だったりするケースにおいては、書類上はいったん販売店が
   製品を購入する形にするものの、製品の物自体は直接台湾⇒韓国の顧客に
   運んでもらうようなケースがあり(三国貿易)この場合は販売店による
   受入検査は行われません。

※   例えばメーカーが台湾、販売店が日本の場合に日本海を渡って輸送されてきた
  商品の受入検査を日本で行い、不合格だとした場合にその代替品がまた販売店
  に届くまでに多くの時間がかかることを考えると非常に効率が悪い訳です。
  よって(手間と費用はかかるものの)販売店が台湾現地での受入検査代行会社に
  本製品の出荷前にメーカーの工場等で受入検査を行い、不合格であればその場で
  代替品への交換を求めるような選択肢もあるということを特に販売店の立場の
  場合は頭に置いておく必要があります。

  

②受入検査不合格通知期限は?
 ・納品日から●●以内に不合格通知?
 ・不合格通知に添付する情報は?

③受入検査不合格の場合の措置は? 
 ・修理/やり直し⇒再検査
 ・代替品納品⇒再検査
 ・代金減額
 ・欠陥があった製品の返却/廃棄の手配および費用

所有権(Title)/危険負担(Risk of Loss)の移転

英文販売店契約における所有権/危険負担の移転時期については
あなたがメーカーの立場でも販売店の立場でもかなり重要ですので
必ず押さえておくようにしましょう。

まず、

◆所有権とは?
 商品を自由に使用・処分できる権利

◆危険負担とは?
 メーカー/販売店のどちらの責任でもない事由(例:船の沈没、火災、盗難等)
 が原因で商品が滅失・毀損等をしてしまった場合に
 どちらの当事者がその危険を負担(代償を払うか?)という考え方

のことをいい、そのメーカーから販売店への移転時期が重要と
なる訳です。

 

国内取引での移転時期の選択肢は
以下の四択となります。
1.個別契約成立時
2.納品時
3.受入検査合格時
4.代金支払い時

 

ところが
海外取引ではもう一つ上記に追加されます。
1.個別契約成立時
2.船積時(FOB/CFR/CIF)
3.納品時
4.受入検査合格時
5.代金支払い時


FOB/CFR/CIFはインコタームズと言う
国際商業会議所が定める貿易条件なのですが
これで危険負担の時期が勝手に決められてしまい
さらにその決め方が「????」なので
実務では契約でインタームズで決めた危険負担の
時期を変更することが特にあなたが輸入者/販売店
の場合は要検討です。

保証条件(Warranty)

保証期間についてはメーカーと販売店で主に以下のポイントについて
検討・交渉をしていきます。時々どっちだかわからなくなって混乱しますので
よくその状況を想像しながら交渉していきましょう。

国内取引よりも海外取引の方がその重要性は
何倍も重くなります!

↓ ↓ ↓ ↓
①保証の有無、保証期間、その内容

◆保証の有無
まず第一に、「保証をするのか否か?」を決めましょう。
例えば中古品であれば「一切保証なし!」もありえます。

◆保証期間/開始日

「保証期間はどれくらいか?」は製品によって様々です。
その製品の性質に応じてメーカー/販売店で交渉します。
多くの場合「1年間」が使われますが安易に決めるのはNGです。

次に「保証期間開始日」も重要です。
選択肢としては以下の4つですので慎重に状況に合わせて
要検討です。
・製造日
・納品日
・受入検査合格日
・販売店の顧客への納品日

メーカーとしてはできるだけ早く保証期間が
終わって欲しいので「製造日」が理想です。
一方で販売店としては自分の顧客に販売した日から
保証期間が始まって欲しいので「顧客への納品日」が
理想です。

よって両者の交渉となるのですが、
落し所としてよくあるのが、
「納品日から3カ月を経過する日と
 販売店の顧客への納品日のいずれか早い日」
などとする場合がありますので、
交渉の場で「パパッ!」と言えるように
しましょう!

 



②保証期間内の契約不適合への対応

選択肢としては以下の3つですので慎重に状況に合わせて
要検討です。
・修理
・代替品納品
・代金減額

そして契約不適合があった製品の廃棄/返却費用の負担は
メーカーor販売店のどちらか?も忘れがちですが要交渉です。


③保証適用除外条件

これは商品の性質によって違いますので
慎重に状況に合わせて要検討です。例えば
以下のような場合は「保証しない」となるケースがあります。
・マニュアルにない使用による故障
・高温・多湿環境での使用による故障

支払条件(Payment)/遅延損害金(Overdue Interest)・保証金(Deposit)

まず「支払条件」について検討する前にあなたが販売店契約書は
以下の2段構えになっていることをきちんと理解しておく必要アリです。
(a)販売店契約書
 ⇒全ての取引に共通して適用する条件を規定
  (例:支払通貨、振込手数料負担)

(b)個別契約(=注文書/注文請書)
 ⇒取引の都度、変化する条件を規定
  (例:金額)

上記を踏まえて以下のポイントについて
それぞれの立場で検討していきます>
◆支払条件
(a)支払のタイミング
 ★ここが最も交渉が難航するポイントです。
  ・
輸出者/メーカー:出荷前に全額支払ってもらいたい
  ・
輸入者/販売店 :受入検査で問題ないことを確認後に支払いたい

(b)振込手数料負担
  ・日本国内/国外でそれぞれかかってくる場合があります。要銀行に確認


(c)支払通貨
  ・為替レートを要チェック

(d)金額

◆支払がされなかった場合or予防のペナルティ
(a)遅延損害金
  
・輸出者/メーカー:遠慮せずに規定する。実際には請求しないケースが多い
  ・輸入者/販売店:経理担当者がしっかりしていればむしろ積極的に規定


(b)保証金
  ・交渉力の差が大きい時は預託してもらうケースアリ

小売価格の指定(再販売価格維持/Resale Price Maintenance)

まずここでは「再販売価格(小売価格)維持行為」という言葉を
覚えてください。

これは販売店が自分の顧客に販売するときの価格(再販売価格/小売価格)
をメーカーが例えば「●●円以下で売らないでください」とコントロール
することを言います。

 

これ、独占権禁止法で原則禁止されています。要は、

「いくらで販売店がメーカーから仕入れた商品を顧客に
 販売しようと販売店の勝手でしょ?それを不当にコントロール
 するのは自由競争の妨げだ!」

という訳です。

 

ちなみにこの考え方はほぼ「世界共通!」です。

 

一方でメーカーの立場としては、自社のロゴ/商標がついた
商品を販売店にダンピングのように安売りされてはブランドに
傷がつくので回避しようとする訳です。

そこで実務では、

■メーカー(輸出者の立場)
・事前に小売価格については相談して欲しいと販売店と合意しておく
・最終決定権は販売店にあることは認める

実を言うと、特にその商品を初めて販売店が取り扱う時は
メーカーとの相談が有難いことの方が多いのです。なぜならば
「いくらで売るのが適正か?」という情報が不足だからです。

よって上記の「事前相談」は両者にとってWin-Winな
落し所と言えるでしょう。

 

■販売店(輸入者の立場)

(欧米のメーカーからの契約書に多いですが)
堂々と「再販売価格維持行為(Resale Price Maintenance)」の
規定が契約書に規定されているケースがあります。

「何も知らない販売店が黙って吞んでくれたら儲けもの^^」

ぐらいに考えているのでしょう。
トランプさんを見ていればよくわかります。

 

もちろんこの場合は堂々と独占禁止法で禁じられている
「再販売価格維持行為(Resale Price Maintenance)」で
ある旨を主張して断るようにしましょう。

ネット販売禁止(Prphibition of Online Sales)

まず、メーカーから仕入れた商品を販売店が顧客に販売する方法は
大きく分けて①オフライン販売②オンライン販売の2通りです。

そしてたまに、
メーカーが販売店に対して交渉の席で、
 

「当社の商品はネット販売禁止です!」

と要求することがあります。

この際に重要なポイントになるのが


「ネット販売を禁止する理由」

です。

 

あまり勉強していないメーカーはその理由が
単に、「ネットで商品を安売りされたくないから・・・」
という理由でネット販売を販売店に禁止しようとしますが
これはNGです
(※日本における独占禁止法のケース)

これ根本的にはこの前に説明した「再販売価格維持」
と同じですよね?よって独占禁止法違反に抵触する
可能性があるので「安売り」はネット販売を販売店に
禁止する「正当理由」にはならないのです。

 

では「正当理由」になる例は以下の通りです。
・安全性の確保

・品質の保持

・商標の信用の維持

他にも商品に応じて正当理由があるかと思いますが
要はメーカー/販売店共に、

 

 

「安売り禁止以外のネット販売禁止する正当理由の有無」

を必ず確認する必要があるということになります。

 

ここで英文販売店契約書で問題になるのは
最近普通に利用されている「越境EC」です。

 

メーカーの立場からすれば、

・オフライン販売
⇒販売店に任せる

・オンライン販売
⇒越境ECで実施

という販売戦略があるケースも最近は
増えています。よって販売店にはネット販売を
禁止させるのかどうか?については現地の独占禁止法
を必ず確認しましょう。

製造物責任(Product Liability)

製造物責任(PL問題)とは例えば、エンドユーザーに販売店が売った
製品が爆発して家が燃え、人の命が奪われたようなケースにおいて
どのような責任をメーカーと販売店で分担するか?ということです。

ちなみに製造物責任法においてPL問題が発生したときの
責任を取る当事者は、製品を製造したメーカーだけでなく
その製品を輸入して販売して「販売店」も含まれることに
なっていますので、もしあなたが販売店の立場であれば
絶対妥協は許されません。

あなたがメーカーの立場であっても販売店の立場であっても
以下の2つのポイントについて交渉していきます。

(a)補償をどこまでするか?してもらうか?
(b)販売店を被保険者としたPL保険をメーカーの義務として付保するか?
 ↓ ↓ ↓ ↓
 PL保険の保険条件はメーカーor販売店のどちらが指定するか?

よって契約条件だけでなく、
予め損害保険会社数社とつながっておいて
どのような保険条件があるのかについて情報を
きちんと仕入れておくことが契約交渉の成否を決めてしまうので
重要なポイントになります。

 

ちなみにメーカーの立場の場合、
遠藤のお客様の対応方法は以下の2通りです。
↓ ↓ ↓ ↓
(a)販売店から何も言われない限り交渉の話題にあげない
(b)販売店を安心させて信頼を勝ち取るために積極的に
 交渉の話題にあげて真摯に交渉する。

 

PL問題の補償/保険共に金額のインパクトも大きいので
上記の(a)or(b)のどちらが正解/不正解とも言えない
難しい問題です。

まさに、製品の品質、市場、互いの力関係、売上見込等々の
様々な要因と合わせ総合的に経営判断することが求められます。

知的財産権(Intellectual Property Right)

販売店契約交渉における知的財産権のポイントは
以下の3点となります。

①互いに相手方の知的財産権を侵害しない
②第三者が相手方の知的財産権を侵害していることを知ったら通知・協力する
③相手方の知的財産権が第三者の知的財産権を侵害しているとしてクレーム・訴訟
 された場合の補償義務

 

最ももめるのが③です。
特にメーカーが海外の企業である場合に交渉が難航します。
その理由はメーカー/販売店でそれぞれ以下のような立場の違いが
あるからです。

(a)メーカー
 そんな相手方の国にどこの誰がどのような知的財産権を有しているか?
 の調査をすることは不可能=補償も不可能

(b)
販売店
 とにかく製品を作ったのはメーカーなのだからそれに使われている
 知的財産権が原因でトラブルが起きたらメーカーが補償するのは当然!

 

そしてあまり知られておりませんが、
「知的財産権賠償責任保険」の活用も
真剣に考えておきたい所です。

PL保険については有名なので検討される
経営者が多いですが、こちらの方は歴史も浅く
あまり知名度が高くないのであまり使われていないのが
現状です。

しかしながら、
いったん知的財産権侵害に関わるトラブルが起きると
そのインパクトや損害賠償金の金額はPL問題と変わりません。

よってまずは保険会社数社とつながりをもっておき
まずは保険商品についての情報収集をしておくことが
とても重要です。

レポート(Report)

これは販売テリトリーにおける販売店の活動レポートを
メーカーに提出するか否か?ということです。

レポートの項目としては大体以下の通りです。
1.当月実施した販売活動
2.来月実施予定の販売活動
3.顧客からのクレーム・問い合わせ情報
4.競合他社・製品情報
5.市場状況

これはあなたがメーカーか販売店なのかで
明確に交渉の立ち位置が変わってきます。

◆メーカーの立場

必ず販売店に提出してもらうよう交渉すべきです!
意外と重要視していない社長さんが多いですが、
ここは「長期的に」考えてみることをお勧めします。

もしも
販売テリトリーであなたの商品・サービスが
爆発的に売れることがわかったらどうでしょうか?

将来にまで販売店に任せずにメーカーが支店/現地法人を
設立して直営店を出して
その商品を販売する可能性もありますよね?

販売店から提出してもらうレポートはその重要な判断材料に
なるはずです。

また、国内取引と違い、海外の販売店には監視の目が
行き届きにくいです。そんな販売店にあなたの大事な商標・ロゴを
貸与している訳ですので、少しでも「あなたのことはきちんと
見ているよ!」と健康的な強制力を働かせるためにも
毎月のレポート提出は義務付けることを強くお勧めします。

 


◆販売店の立場

実はレポートの労力は馬鹿になりません
特に日本企業が英語のレポートを
毎月提出しなければならない
ケースでは毎月のレポート作成の
稼働が馬鹿にならない場合が
あります。


よって社内にそのような人材がいないのであれば
レポートではなくZOOMミーティングでの報告にしてもらったり
毎月の報告を四半期ごとにしてもらう等の交渉を検討した方が
良いでしょう。

契約期間(Term)+更新条件(Renewal)

契約期間+更新条件については多くの日本の
中小企業の社長さん・個人事業主はあまり深く考えずに、

「自動更新」

にしてしまっているケースが多いですが、

「本当にそれで良いの?他の選択肢はないの?」

という話です。

 

特にあなたがメーカーの立場の場合は
慎重に考える必要があります。

さらに販売店に「独占的販売権」を
与えている場合は、もう絶対です!

 

なお、あなたが販売店の立場の場合は
もうシンプルにご自身の状況を考えれば
どのようにしたらよいかは自ずと答えは
出るはずです。


動画の解説をよく見てご自身の販売店取引の
ケースに当てはめて考えてみてくださいね。

契約終了後の措置(Effect of Termination)

多くの中小企業の社長さん・個人事業主は
契約期間中の条件については熱心に交渉しますが
「契約終了後の措置」まであまり気が回りません。


しかし、取引のトラブルの大半は、
「契約終了後に発生する!」
ということを考えるとやはり契約する際に
ここまできちんと考えておく必要があります。

大きなポイントは以下の3つです。

①販売店が保有している在庫の処理(★最重要★)
②メーカーが販売店に支給した支給品の処理
③メーカーが販売店に使用許諾した商標・ロゴの取扱

支払条件一般条項

メーカー(支払いを受ける側)および販売店(支払いをする側)で
それぞれ立場が違いますが以下の3つの一般条項について交渉します。

①遅延損害金(Overdue Payment)
②期限の利益喪失(Acceleration)
③金銭債務の特則(monetary obligations)

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